業務改善のポイント(1)

(1)フローチャートを描く 

1.記号化することにより共有化が容易になる。

    このことは、フローチャート記号で表現することのメリットとして、最初に上げられることです。記号化することで、文章で表現すると複雑になることも単純化され、誰が見ても分かりやすく、共有化されやすくなります。

    一般に、共有化は単純化が進むと容易になります。先に述べたブロックチャートのような表現もありますが、単純化するに当たって記号に勝るものはありません。

    また、分かりやすい記号を用いることで、様々な人を巻き込むことが可能になります。しかも、巻き込まれた人の業務を理解するに要する負担も軽減されことになります。

 

 2.業務プロセスの弱点を見つけることができる。

    フローチャートを描くことの最大のメリットとしてあげることができるのは、この点です。

    例えば、フローチャートを描く段階で、記号で表せないプロセスが出てくることがあります。このようなプロセスは、業務の処理方法が曖昧であったり、個人のスキルに頼り過ぎている場合が考えられます。このようなプロセスにはリスクが内在していると考えられます。

    このように、フローチャート記号で表現しようとするとき、何気なく日常行っている業務プロセスに内在するリスク(弱点)を明らかにすることができるのです。このことは、ブロックチャートでは気づきにくい点です。

 3.改善効果をシュミレーションできる。

    このことは、業務の弱点を見つけるのと同じくらいに有効な点です。

    改善案ができたら、その案をフローチャートに表現することで、改善案の完成度や効果を確認することができます。

    以上のようなメリットがあるフローチャートを面倒であるという点だけで活用しないのは、経営や管理において非常に大きな損失となります。

    兎と亀ではありませんが、フローチャートを描くことは、一見遠回りのようで実は近道であるという点をご理解いただけたら幸いです。

記事作成 

       リッチマネジメントシステム 尾嶋 繁

 (メールアドレス rms-ojima@nifty.com

   産能大学主任研究員、JMACチーフコンサルタント、ホワイトカラーの生産性向上(中部経済新聞20回連載)、業務改革(産能大出版)、国分寺市特別職報酬等審議会会長、同市行政改革委員会副委員長

   主なコンサルティング領域として、中長期経営計画策定支援(事業の存在価値、思い、ビジョン)、管理及び評価体系構築支援(評価制度、目的による管理)業務及び組織改革支援、管理・間接部門の業務改善等効率化支援、直接部門の作業改善等効率化支援、現場力強化支援など

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適正要員の設定について

 組織運営にとって、適正要員の設定は永遠のテーマです。 もし、適正要員の設定が厳し目に算定されれば、一人あたりの負荷が多くなります。設定が甘ければ、一人あたりの負荷が少なくなり、売上に対する人件費が高めになります。

 こことは分かるのですが、そもそも適正要員の適正とは“何を持って適正と考えるか”という点が良く分かっていません。

 一般に適正要員の算定には、採算面から算定する方法と仕事量の面から算定する方法があります。前者の場合は、単に“目標”を示しただけで、設定された適正要員で業務を遂行できる保証はありません。後者の場合は、仕事を積み上げて設定したものであるので業務を遂行することはできるのですが、算定した適正要員で業務を遂行すれば採算がとれるかという点は保証されていません。

 ここで、後者の適正要員の算定結果を基に、採算面を考慮して、現在の仕事量に占める無駄(改善余地)などを徹底して排除する活動を行えば、採算性を保障した適正要員を設定できます。

 そこで、採算面には幅があるため、まず現在遂行しなければならない仕事の適切な仕事量を算定します。ここで、適切な仕事量の基礎となるのは、仕事の適切な遂行方法と適切な遂行速度(スピード)です。現在配置されている人によるばらつきのある遂行方法と遂行速度を基にすると適切な仕事量は算定できません。仕事に良く慣れた人の標準的な方法と標準的なペースが基礎となります。

 ここで発生するギャップがあると、業務を遂行できなくなるという方もいるかも知れませんが、時間と共に人の習熟度は常に変化し、ある程度の時期に落ち着きます。つまり、本来の適正は、この習熟度が進んだ状態を基にして作成し、そのギャップを組織の改善課題として認識することが必要になります。

 当社では、現状の要員が持つ仕事量を5つに分けて考えます。一つ目はここで言う本来の適正要員の算定基礎になる正味業務遂行工数、二つ目は業務を行う環境としてのレイアウトや業務分担(組織)などにより発生する環境負荷時間(1)、三つ目は仕事が計画外で発生する時にできる環境負荷時間(2)、四つ目は新人の採用や就業規則等により決められ発生する戦略的な負荷時間、五つ目は組織のマネジメントで改善すべきその他避けられる遅れ時間です。

 この中で、適切な仕事量を決めるのに、標準的なデータを最も必要とし、標準的なデータを活用することにより最も効果があるものは、一つ目の正味業務遂行工数です。この算定には、適切な方法と適切なペースを基にした基礎データが必要になります。

 

 そこで当社では、今回、”介護業務”に関して、基礎データを作成しました。有償にて配布致しますので、下記までメールにてお問い合わせ下さい。

   

          

記事作成 リッチマネジメントシステム 尾嶋 繁

 (メールアドレス rms-ojima@nifty.com

   産能大学主任研究員、JMACチーフコンサルタント、ホワイトカラーの生産性向上(中部経済新聞20回連載)、業務改革(産能大出版)、国分寺市特別職報酬等審議会会長、同市行政改革委員会副委員長

   主なコンサルティング領域として、中長期経営計画策定支援(事業の存在価値、思い、ビジョン)、管理及び評価体系構築支援(評価制度、目的による管理)業務及び組織改革支援、管理・間接部門の業務改善等効率化支援、直接部門の作業改善等効率化支援、現場力強化支援など

   

  

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ホワイトカラー生産性のとらえ方(全2回)その2 改定

効果性に重点を置く(その2)

 前回、ホワイトカラー生産性を管理するための測定について、その厳密性を期待できない理由として収集するデータの問題を取り上げました。ここで考えなければならない点は、本来のホワイトカラーの存在価値をどのように捉えるかということです。

 本来のホワイトカラーの存在価値は、直接的な物を生産しているまたは物を消費している対象(直接部門)に対して、ホワイトカラーの各部門(担当者)の役割・責任の範囲で、何らかの「働きかけ」をすることで、その対象(直接部門)に貢献することで得られます。

 したがって、ホワイトカラー生産性は、「働きかけ」がホワイトカラーの貢献すべき対象に対して、どのように貢献しているかを見る「効果性」という視点に焦点を当てて考えるべきです。

 この「効果性」という視点は、具体的に(定量的に)測定しその値を確認することも大切ですが、最も大切なことは、効果が出ている変化を感じ取ることにあります。

 自分ないしは自部門の「働きかけ」が、対象に対して効果があったのかを観察し、その効果が適切なものであったかどうかを感じ取り、もし効果が無いもしくは効果が期待通りで無いものであったら、新たな「働きかけ」をすぐに探究し実施するというように、常に効果の高い業務を達成するという姿勢が大切なのです。

 このような感性は、自部門の存在を固辞するのではなく、自部門の他部門への貢献に拘るということで、最も貢献できるのであれば、自部門の存在が無くても構わないという感性を持つことが大切なのです。

 この「効果性」という視点の捉え方には、効率性にイメージされるような管理・統制の概念はなく、自らの自発的行為を大切にする価値観をベースに持つものです。

 つまり、ホワイトカラー部門の働きかけによって、対象となる相手(ステークホルダー)はどのようになるのか?(できれば、なって欲しいのか?)という”純粋な思い”を持つことから事柄を定義し、意識することが大切です。

 ホワイトカラーは、一人の行動が無限の成果を生み出す可能性を持っている反面、無限の損失を組織に与えかねない存在でもあります。

 例えば、受付は、「来社される方が当社に対する好印象を持って頂くこと」という目的を思い描き、そのような心で来社される方々に接することができれば、商談相手の警戒心和らげることができ大きな商談を成立させることに貢献できるかもしれない、あるいは、感情的になっていたクレームで来社された方が冷静に話し合いができる方に変えることができるかもしれません。

 このように、ホワイトカラーは、直接的な効果を測定できなくても、どのようなことに貢献しようとして業務を行うのかを意識することで、業務の質を高めることができ、結果、生産性を向上させることができます。

 その意識を常に貢献する対象に持てば、例えば、座ったままお迎えする受付から立ってお迎えする受付に変わる、あるいは、情報を要求するだけの間接部門ではなく情報を提供できる間接部門に変わる、などの変化が確実に組織の存在価値を高めます。

 以上のように、定量的・定性的なデータで表現できなくても、ホワイトカラーの生産性は「効果性」という視点に着眼し、常に意識することで、組織の存在価値を高めることができるのです。

                                          

                                            by 尾嶋 繁

                          

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ホワイトカラー生産性のとらえ方(全2回)その1 改定

効果性に重点を置く(その1)

 生産性は、インプット分のアウトプットで表現されます。つまり、単位当たりの投入量に対する産出量の大きさで捉えます。この考え方は、ホワイトカラーの生産性においても同様です。

 生産性を捉える概念は変わらなくても、ホワイトカラーの生産性が厄介なのは、何をインプットとし、何をアウトプットとするかを決める時、インプットとアウトプットの実態が捉えにくい場合が多いということです。

 そのために、実際にはやむを得ず、的外れのものを設定せざるを得ない状況に遭遇することがしばしば起こります。その一つの理由として、生産性を測定するために必要となる「データ収集に限界」があります。

 ①収集したデータの意味上の区分限界

 測定しようとする目的の達成状況を表すのに適したデータが単独では存在しないことがあります。良くあることですが、複数の目的の達成状況と重複するデータであることが多いのです。

 たとえば、ゴミの分別を促すための講習会の目的を達成できた状態(講習会が効果があったことの評価)を表すデータとして、ゴミ処理場において測定可能な”ゴミの分別率”というデータを取り上げたとしても、このデータの変化要因には、講習会以外の製品の分別のし易さへの改良など様々な要因を含んでおり、直接の講習の効果を測定することはできません。

 ②データそのものが収集できない

 そもそも、アウトプットそのものを測定できないものがあります。例えば、職場の活性化という結果を得るための活動は、結果としてのアウトプットである”活性化された職場”を直接表現できるデータの存在を確認できません。 活性化することで、何かが多く得られるかも知れません。しかし、多く得られるためには必ず職場を活性化しなければならないかというと、そうでは無いことが多いのです。このような場合、データは職場の活性化を表現するための必要十分な条件を満足していません。

 ③データ収集の手間からくる限界

 たとえば、単位当たり処理件数という生産性を測定しようとするとき、インプットに労務費や労働時間を、アウトプットに処理した伝票枚数や帳票件数が上げられます。この時、評価対象の生産性を測定するために、その対象ごとにそれぞれのデータを収集しなければなりません。

 そこで、データを収集し解析するための工数を金額に換算します。例として、1500人程度の実際の工場でのことですが、末端の人のデータの記録、中間管理職や事務員の確認・集計作業などの手間を金額に換算すると、年間5000万円分に相当してしまったというケースでした。この場合、必要なデータをすべて収集することを断念することになります。

 以上のように「データ収集の限界」を宿命として背負っているホワイトカラーの生産性では、厳密に測定し、運用することの「限界」を認めることが大切です。

 従来のホワイトカラー生産性の指標には、「労務賃分の伝票枚数」というような効率性指標が多く、どうしても数値に頼る傾向がありました。しかし、本来のホワイトカラーの存在目的を考えた場合、ホワイトカラーの生産性に効率性の視点だけで有効かを考えなければなりません。

                    

                                      by 尾嶋 繁

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目的を軸にした業務再構築について

今回は、目的を軸にした業務再構築の手順の概要について考えます。

今日のような経済状況においては、早急にスリム化を図りたいところですが、拙速は将来の糧をも切り落とし兼ねません。残せるものは残し、切れるものは切るという判断において軸となるものは目的です。

今回示す手順は、目的の体系(業務の目的から組織の目的への繋がり)を整理し、上位目的の排除・結合・組み換えなどにより、目的そのものを見直します。その結果、排除された目的に関連する業務は検討することなく廃止し、目的が結合した業務は新たな目的を達成する業務に再構築します。

再構築する業務と既存の業務に関しては、目的の重要度から使える資源(人的資源や物的資源)の目標を設定し、目標とする資源で目的を達成する業務処理方法の再構築を検討します。

    現在の業務について、業務に最も近い目的を定義します。

    定義した目的の上位の目的を定義し、目的の体系(ないしはリスト)を作ります。

    目的の体系と業務体系(ないしはリスト)を関連付けます。

    上位の目的から目的排除(排除・結合・組み換え)の可能性を検討し、目的を再構築します。

 排除できる目的を持つ業務は排除し、再構築が必要な業務と既存の業務が残ります。

    残った目的は、その重要度(先行後続と類似の整理)という視点から重み付けをします。

    重要度の高い順に目的を並べ、それぞれの目的に業務を関連付けます。

    業務に費やしている時間やコストを整理し、目的単位で集計します。

   重要度の高い目的から順に、時間とコストが目的の重要度に見合うかどうかを判断し、適切と思われる時間とコストの資源配分を決めます。

    目的ごとに目的を満足するアウトプットの姿と業務処理機能を決めます。

    目的を満足するアウトプットの姿を元に、各業務に求める処理機能とアウトプットを決めます。

 目標を達成する業務となるように再構築(ないしは改善)を検討します。

【再構築(ないしは改善)における主な検討ポイント】

  アウトプットに最も近いインプットを探究(ないしは構築)します。

  インプットからアウトプットに至る最適な基本プロセスを検討します。

  最適な基本プロセスの目標とする資源だけで処理できる手段を検討します。

  選択された手段で業務処理方法を設計します。

など

※①からの検討において、目的の重要度の高い順から時間とコストを積み上げ、資源配分のボーダーラインを決め、その前後での目的の取捨選択を通して、業務の再構築を行うことも可能。

質問に関しては、RMSホームページからお問い合わせ下さい。

by 尾嶋 繁

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業務調査について(ホワイトカラー生産性)

1.    業務調査を実施する意義

改善をしなければならないことは分かっているが、闇雲に改善を実施することがいいことかどうかは考えなければなりません。どんなに業務量が多いからといって、改善検討を単に進めるのは拙速です。もしかすると、業務量は多いのだが、置かれている環境の中では、業務そのものが必要ないかもしれません。 この場合、効率化を検討すること自体も無駄になります。

このようにならないために、改善をどのような方向性で考えるかについて整理する必要があります。その時、業務調査が有効になります。転ばぬ先の杖、兎と亀、などの言葉を借りれば、業務調査を行うことの重要性が認識できます。

しかし、単に業務調査といっても、目的を持って調査しないといけません。一般に、業務量(工数、発生頻度、発生のタイミングなども含め)を調べることが多いのですが、この調査では、単に仕事量が多いとか、負荷のピークはどこにあるといったことの認識を共有し、どの業務から改善すれば結果を得られやすいかを決めるに過ぎません。この程度の判断であれば、日常業務を行っている担当者・管理者は、定量的ではないが十分に認識しているでしょう。

 本来の業務調査の目的は、改善のアプローチを探ることにあります。どのようなアプローチで改善すればどのような効果があるかを認識し改善に取り組むことで、改善の効果を高めることが狙いです。

2.    業務調査の視点

そこで、業務調査は単なる業務量調査ではなく、“効果的な生産性向上のためのアプローチを選択するための業務分析の視点”を持った業務調査であることが必要です。今回は、調査を行うための視点について考えます。

(1)  業務の区分

 業務調査を行う場合、調査する業務をどのように区分して捉えるかは重要な視点です。

業務を区分する視点には、様々なものがあります。今回紹介するのは、生産性向上のアプローチとしての効果性の追求と効率性の追求という点に対応する業務の区分です。この視点で業務を大きく2つに分けると、オープンシステムとクローズドシステムになります。

オープンシステムの生産性向上を考えるときは、その業務の存在価値を問う効果性の追求から始め、効率性の追求へと検討を行います。一方、クローズドシステムは、その存在価値を定義する必要はなく、与えられた与件として検討するため、効率性の追求を行えば良いことになります。

クローズドシステムとしての業務には、法対応業務(法で求められるアウトプットを生み出すために行う業務)と基本業務(組織の存在価値を生み出すために必要となる業務)の一部があります。

オープンシステムとしての業務には、基本業務(組織の存在価値を生み出すために必要となる業務)の一部と管理業務(組織の存在価値を生み出すためや効率的な組織運営を行うための業務)、品質向上や改善・改革業務(法対応業務・基本業務・管理業務のアウトプットの改善や方法の改善及び組織の存在価値を高めるための新たな業務の創造など)があります。

(2)  手続きレベルの区分

業務調査において、どこまで細分化して捉えるかという視点は、調査に掛る手間と調査の効果を考えて決めなければなりません。簡素化して調査したという気持ちは誰でもあるが、効果のない調査をしても意味がありません。今回は、何を捉えるかによって違いますが、ILOによる代表的な一日の作業時間の区分を参考にした作業区分を考えます。

そこでは、基本的作業を行う時間、アウトプット設計上のロス時間、業務処理工程設計上のロス時間、業務管理上のロス時間、個人のパフォーマンス上のロス時間に区分しています。ここで発生している時間は、作業方法とそれを行うスピードスピードで決まります。

このことから、“時間”を“作業”と置き換えても何ら問題がないことから、これを元に作業区分を考えると、基本作業、アウトプット設計上のロス作業(アウトプットの設計の悪さにより発生する余分な作業)、業務処理工程設計上のロス作業(業務処理工程の設計の悪さにより発生する余分な作業)、業務管理上のロス作業(業務管理の悪さにより発生するロス作業)、個人のパフォーマンス上のロス作業(個人の作業のやり方の悪さにより発生するロス作業)という区分になります。

(3)  業務の性質を捉える視点

業務の単位や作業の単位で区分して捉える視点について紹介しましたが、問題の切り口を見出すためには、それらの区分視点と問題の状況を洗い出す視点が必要になります。ここでは、“業務の性質”という言葉で表します。

まず、業務の性質とは何かを考えます。例えば各企業で決算業務は行われていますが、業務名は同じでもその性質はそれぞれ異なる業務になっています。それは、業務が置かれている状況(インプット、アウトプット、人的媒体、物的媒体、情報媒体、メソッド、環境)が違うからです。そこで、生産性向上を検討しようとするとき、これらの状況を把握する必要がでてきます。

業務の性質は、置かれている状況を整理すれば見えるようになることから、これらに関して整理すれば良いことになります。例えば、オープンシステムも捉えることを前提とすれば、目的、アウトプット、インプット、プロセス(手続き)、人的媒体、物的媒体、情報媒体、メソッド、影響すると考えられる業務環境の各状態を確認することになります。

by 尾嶋 繁

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システムの捉え方の基本

 今日のように、売上が減少すると、管理間接(ホワイトカラー)部門の見直しが必要になります。ホワイトカラーの生産性や様々な業務システムの設計・改善において、対象となるシステムの基本的な捉え方は、G.ナドラー博士が提唱するワークデザインにおけるシステムの捉え方が参考になります。

ワークデザインでは、システムの構成要素として、

1.目的:システムの存在意義(存在価値)

2.アウトプット:システムによって作り出される目的に合ったもの

3.インプット:作り出すために必要な基本的な、

4.人的媒体:システムの機能(手続き)を実行するために必要な人材的資源

5.物的媒体:システムの機能(手続き)を実行するために必要な物的資源

6.情報媒体:システムの機能(手続き)を実行するために必要な情報資源

7.メソッド:システムの機能(手続き)を実行する方法

8.環境要因:システムを取り巻く前提条件、制約条件などを含む環境

8つを挙げています。

これらを元に、要求される様々な視点で各要素を点検すれば、洩れなく対象とするシステムを捉えることができます。システムを捉える経営的な切り口としての視点には、

1.コスト:目的に合ったアウトプットを見出すために掛る様々な費用

2.品質:目的に合ったアウトプットの品質に関する要素

3.納期:目的に合ったアウトプットのタイムリーな排出に関する要素

4.安全:目的に合ったアウトプットそのものの安全とそれを見出すための手続き上の安全に関する要素

5.環境:目的に合ったアウトプットそのものの環境への影響とそれを見出すための手続き上の環境に関する要素

6.リスク:目的に合ったアウトプットそのもののリスクとそれを見出すための手続き上のリスクに関する要素

などがあります。これらの視点とシステムの要素をマトリックス(二元)に配置し、交差するコアにおいて現状とあるべき姿を検討すれば、システムの問題(ギャップ)を網羅的に捉えることができます。

 以上、システムの基本的な要素と捉え方のイメージを述べました。次回は、具体的な内容に少し触れます。

by RMS(リッチマネジメントシ ステム)代表 尾嶋

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目標管理と生産性向上について

協働目標設定し評価

目標管理システムは、各企業において、形態は様々であるが、具体的に導入され、実戦されている管理システムに一つである。

そして、目標の一つの指標として、生産性を取り上げることは可能である。

ただ、ここで問題となるのは、一般的な目標管理システムは、個人を対象にしたものだということである。

それは、生産性指標の問題でもある。

生産性指標は、個人単位で設定し難いということである。

厳密に言えば、指標は設定できても、その指標を具体的な数値にすることが難しいということである。

したがって、生産性指標を用いた目標管理は、通常、部門単位で行う「協働目標による生産性管理システム」で行うことになる。

以下においては、この「協働目標による生産性管理システム」の構築方法について述べる。

  ①協働目標の設定単位を検討する

     まず最初に、協働目標を設定して評価できる単位を検討する。  通常は、「課」という単位が選定される。

  ②生産性指標を設定する

     この時の目標は、生産性指標の中で、効果性を中心に検討する。  効果性は、部門目的に対して、その達成のための活動がどの程度効果があるかということで測定する。  したがって、まず必要となるのは、部門目的である。  次に、部門目的を達成するための業務を検討し、最も部門目的の達成に効果があると思われる業務を選択する。  そして、その業務がどの程度の効果を発揮できるか見極める。

  ③協働目標を設定する

     ここでは、効果性の指標の達成度を測定するための客観的尺度を設定する。  通常は、おのおのの指標を十段階で表現する。  具体的には、業務の効果が見極められた最大の効果性値(目標)を10ポイントにセットする。

  ④現在の生産性値を確認する

     これは、生産性の達成度合いを確認するための客観的尺度に、設定した生産性値を当てはめるために必要となる。  つまり、現状の値を3ないしは4ポイントに設定することで、他のポイントの生産性値を決定できるのである。  例えば、10ポイントの生産性値を2.5、現状を3ポイントとした時の生産性値が1.1であったなら、4ポイント目から9ポイント目までは、現状に0.2ポイントずつ加算すればよいことになる。

  ⑤各段階のポイントごとの生産性値を設定する

     ④の要領で設定する。

  ⑥生産性指標間の評価ウエートを決める

     生産性指標が複数ある場合、部門の目的と照らして、それぞれの指標の重要度を決定する。  この時、重要度の決定に客観性を持たせるために、一対一比較法を用いると便利である。  一対一比較法は、複数ある項目に対して、総当りで優劣を決定し、ポイントの取得数で順位を決定しようとする方法である。

                       全 完

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次回は、新シリーズ『業務革新の考え方・進め方』について書き進めていきます。

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年度計画と生産性向上

活動の成果を生かす

 生産性向上を継続的な活動とするためには、全社的に運用されている年度計画と結び付けておくことが必要となる。

 年度計画は、年度における活動の概要を決定する計画であり、このけいかくの生産性の向上余地を含めないと、いつまでたっても、生産性向上活動の実績が表れないことになる。

 つまり、計画を立案する時に、生産性向上活動によって向上するだろう生産性値を考慮した計画を立案することで、生産性向上活動の実績として成果を生かすことができるということである。

 具体的には、ある業務に対して、来年度は20%の生産性向上を予定したとすれば、その業務を計画する条件は、工数であれば20%少ない時間を適用して計画を立案するということである。

 このような生産性向上余地を考慮した年度計画を策定するにあたって、

  ①全ての業務に対して業務基準を作成する

     生産性向上活動の成果は、全て業務に反映されるため、全ての業務に対して業務基準を設定しておかなければ、生産性向上活動の成果を年度計画に盛り込むことができない。  当然のことであるが、業務基準には、生産性向上活動の成果が取り込まれていることが必要である。

  ②生産性向上活動と業務との関係を明確にする

     生産性向上活動が業務とどのような関係にあり、どの程度の影響を及ぼすものかが分かるように、関連マトリックスを作成する。  業務をマトリックスの表頭にとり、生産性向上活動を表側にとる。  それぞれの交差したマスの中に、生産性向上活動と業務の関連度を示す。

  ③業務の実行優先順位を明確にする

     生産性向上活動も含めて、業務の優先順位を明確にすることは、限られた資源を有効に活用するためには必要なことである。

という三点は必要になる。

 具体的には、以下の活動場面を想定できる。

  ①経営課題と部内の課題をもとに、次年度の業務を計画する。

  ②次年度の業務計画と作成した業務基準をもとに、次年度の概略予算を見積もる。

  ③承認予算額と作成した業務の実行優先順位をもとに、次年度の実施業務を抽出する。

  ④抽出された業務と作成した関連マトリックスをもとに、各業務の生産性向上余地を整理する。

  ⑤生産性向上余地分の業務を、下位の実行優先順位のためにカットされた業務から吸い上げる。  この時吸い上げた中に「生産性向上活動」があれば、向上分で捕らえる業務を再び吸い上げ、同様の手続きを繰り返す。

 このように、生産性向上活動の成果を実際のものとするためには、年度計画に明確に反映することが必要である。

                        完

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次回は『目標管理と生産性向上について』

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業務環境と生産性向上について

情報システム整備を

 一般にホワイトカラーと言われる管理・間接部門は、オフィスと呼ばれるスペースで業務を行っている。

バブル全盛の時は「ニューオフィス」とか「リニューアル」とかが盛んに行われ、外見上の改善はかなり進んだ。

しかし、「リニューアル」を実施したオフィスに伺ってみると、業務は決してしやすくはなっていなかったという記憶がある。

 単に、業務環境といっても、オフィスレイアウトや照明・空調の問題に至るまで、かなり広範囲に渡っている。

最近では、「ファシリティ・マネジメント」といって、オフィスビル全体の管理をテーマにする分野も現れた。

 ホワイトカラーの業務実態調査をあるオフィスで実施したところ、基本的な執務時間は全体の23%程度、オフィス内の移動等の時間は全体の27%程度、書類整理の時間は全体の13%程度、会議や打合せの時間は全体の30%程度、残りが休憩時間となっていた。

このデータから見ると、実際に仕事をしている時間は思ったより少なく、書類を運んだり歩行の時間がかなり多いことや、ほかの人と接している時間が多いことに気づく。

 このことから、業務環境の改善方策としては、 

  ①移動時間を短縮するための方策を検討する

      移動時間の短縮には、書類の置き場や関連スペースとの関係を検討し、最適なオフィスレイアウトを設計するか、情報を座ったままで出し入れできるように情報システムのネットワークを設計するなどがある。

  ②会議や打合せの回数や時間を短縮するための方策を検討する

      会議や打合せの回数の削減には、判断・決定ルールの充実や情報伝達システムの改善などを検討し、会議や打合せ時間の短縮には、会議運営方法の改善や会議システムの導入および、情報システムのネットワーク等を検討することである。

  ③資料整理時間を短縮するための方策を検討する

      資料整理時間の短縮には、一般的にファイリングシステムの導入が検討されるが、実際には、もう少し上流に位置する記録管理や情報管理といった観点からの検討が有効である。

  ④基本的な執務時間を短縮するための方策を検討する

      基本的な執務時間の短縮では、一般的に業務分析やシステム化の推進が中心となるが、それぞれの業務特性に応じた執務環境(机回り)の改善による知的生産性の向上を図ることも必要である。

などがある。

 このことから、業務環境の改善は、ホワイトカラーの生産性向上に相当の効果を期待することができる。

そして、業務環境の改善はトータルシステムとして検討すべきで、情報ネットワークがその中で重要な役割を果たすだろうことも分かる。

 M・ハマーは、リエンジニアリングの中で、情報システムの重要さを唱えている。

現在の情報社会では、業務環境に情報システムがない方が不自然なのかもしれない。

                        完

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次回は『年度計画と生産性向上について』

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処遇制度と生産性向上について

相対的基準で評価を

 ホワイトカラーの生産性を追及すると、評価制度と同様に障害となるのが処遇制度である。

一般には、処遇制度と評価制度は、直接結び付けて考えられている。

この場合には、評価にある程度の公平さを必要とする。

 しかし、評価(評価尺度の運用を含め)には、処遇に不満がでない程度の精度で公平さを期待することはできない。

なぜなら、評価尺度がどんなに納得性のあるものでも、その運用は、一人一人のバラツキを持った管理者が担当することになるためである。

 今日、さまざまな検討が加えられ、改善されてはいても、人事考課制度に不満が絶えないのは、この点にあると言っても過言ではない。

 そこで、処遇は評価制度と切り離して考えることが必要となる。

基本的な処遇は、労働能力市場とその能力を必要とする企業間の需要と供給の関係で決定されるべきである。つまり、企業が必要とする業務に対して、その業務を遂行できる能力を有する人材を募集し、その応募状況によって、拠出できる費用の範囲内で支払い労務費を決定するということである。

(反対に、従業員が企業に対して貢献できる業務を設計し、それを企業側に売り込むというケースも考えられるが、複雑になるためここでは言及を避ける。)

 たとえば、企業にとって貴重な能力を有する方は、それ相当の処遇を受けることになるし、反対に、能力的には顕著なものを必要としないが、だれもやりたがらない業務を進んで取り組もうとする方の処遇も優遇されることになる。

 このような処遇制度を運用することにより、各人が各人の能力を最大限に発揮し、企業に貢献しようとする姿勢が前面に出るようになる。

こうなれば、処遇制度が生産性向上に貢献できたことになる。

 このような処遇制度を運用するためには、以下のような仕組みを必要とする。

   ①業務に対して、企業がどの程度の費用を投入できるかを決定するための仕組みが必要となる

      ここでは、それぞれの業務に対して、企業が許容できる拠出費用の範囲を決定するための基準を設定する。 この時、絶対的に金額を設定するのではなく、原資のバラツキに対応できるように、相対的な基準とすべきである。

   ②公平な処遇契約を結ぶためのルールが必要となる

      この処遇制度は、基本的にある期間の処遇契約となる。 したがって、あらかじめ、募集・応募・契約といったそれぞれの段階におけるルールを定めておく必要がある。

   ③処遇契約の履行状況を評価するルールが必要となる

      あくまでも実施前の契約であるため、実績を確認しなければ、公正な処遇を完遂したことにはならない。 したがって、ルールが必要になる。

                        

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次回は『業務環境と生産性向上について』

 

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『評価制度』について

難易度と努力度考慮

 ホワイトカラーの生産性向上を考える時、必ずぶつかる壁に評価制度がある。

この問題としては、生産性向上にどんなに貢献しても評価に表れないため、努力を継続的に続ける意欲を失ってしまう点である。

 ここで、生産性向上を評価に結び付けようとすると、ホワイトカラーの生産性を測定し、評価する尺度があいまいで、努力度を横並びにして評価できないという根本的な欠点を避けては通れないという問題が生じることになる。

だからといって、この根本的な問題に取り組むには、あまりにも無駄であり、結果は見えている。

 したがって、ここでは、ホワイトカラーの生産性向上を達成しようとして努力をした業務を通して、その努力度を測定し、評価するという考え方を持つ必要がある。

 この場合、業務は計画通りに達成できたが、生産性は思ったより向上しなかったというケースでも、業務の達成度で評価することになる。

つまり、評価は生産性向上に貢献しようとして設定した業務に要求される『能力の難易度と努力度』によって行われるということである。

 たとえば、営業部門において、一人当たり売上高という生産性指標を持っていたとする。

この部門に、両極端な環境にあるA氏とB氏がいたとする。 A氏は、成熟した市場を担当し、売上高の向上には相当の努力を必要としていた。

一方、B氏は、未成熟の市場を担当し、売上高の向上にはそれほどの努力を必要としない。

この両者を単に、生産性指標である『一人当たり売上高』で評価したらどうなるか、いわずもがなA氏に不満が出るであろう。

 そこで必要なのは、A氏が生産性を向上させるために努力する活動(業務)とB氏の活動(業務)をあらかじめ評価し、それぞれの業務の難易度と要求される努力度を明確にすることである。

 以上のことを整理すると、以下の点に留意すべきことが分かる

   ①全ての業務について、ホワイトカラー生産性の向上に貢献するかを明確にする

      どの業務をどのように工夫して実行するとどの程度ホワイトカラーの生産性に貢献するかが明確になっていれば、業務は常に効果の高いレベルを目指すようになり、自然と生産性を向上させることになる。

   ②全ての業務において通じる『業務の評価尺度』を明確にする

      これは、評価尺度である難易度と努力度をどのような尺度に設定するかを決めることである。 これがあることで、新たな業務が発生しても、バラツキの少ない評価を実施することができる。

   ③評価は達成した業務の完成度によって行い、期待値は含めない

      これは、評価の公平さを保つために、必ず顕在化した事実を基に評価するように努めなければならない。 この時、達成後の評価値は、あらかじめ公表し、能力があればだれでも挑戦できる機会をあたえることも必要である。 

 これらは、評価の基本でもある。

                      

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次回は『処遇制度と生産性向上について』

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管理システムと生産性向上について

業務を最低限に絞る

 一般に、本社本部の大半業務は管理システムの連用である。

本社の各部門は、担当の各部門から業務の情報を収集し、担当する部門の業績を管理し、担当の各部門の状況を上部へ報告するという管理活動を行っている。

この活動は、組織の肥大化とともに拡大していく傾向にある。

このような管理システムの最たるものとして官公庁を挙げることができる。

官公庁は、日本株式会社の大本社組織である。

 管理システムは、それぞれの部門や従業員が未成熟である場合には、大変有効な働きをする。

しかし反対に、それぞれの部門や従業員が成熟し自立している組織では、大変わずらわしいものとして映る。

つまり、管理システムは、管理対象の成熟度によって変化していかなければならないものである。

しかし、一般には、管理システムの変化は対象の変化に追従できていない。

 管理システムは、ある面では規制がベースになっていると言える。

このことは、管理システムの成長過程を見ると分かりやすい。

そもそも、組織において管理システムが存在し始めるのは、経営側と管理対象者との間に何らかの問題が発生した、ないしは、発生するだろうことが予測できた時からである。

経営側は、問題の発生を防ごうとして、管理システムによる規制を管理対象者に強いることになるのである。

 そして、このような管理システムを運用する側の従業員(特に本社人員)は、管理の利権に錯覚を起し、本来の目的を忘れて、管理することが目的と思い込んでしまう傾向にある。

こうなると、管理の精度を向上することに夢中になるばかりか、管理システムを維持するために仕事をするようになってしまう。

 基本的に、生産性を向上させたいなら、管理業務を必要最低限のものに絞り込むことを考えたい。

前述した通り、管理対象が成熟し、自立できると考えれば、本来、管理は不要な活動である。

 以下のことを通して、管理システムを簡素化したい。

  ①管理対象を信じ、規制を少なくする

     管理が複雑になる原因の一つに、管理対象を管理する側が信じないということがある。 そのために、何をするにも上司へ相談しなければならず、しかも、その相談のために膨大な資料を作成するというムダが発生している。 具体的な方法としては、意思決定権などの大幅な権限委譲とか、思い切った発想の転換による報告・相談の削減が必要である。

  ②管理対象の業務範囲と達成すべき状態を明確に指示する

     管理対象の行うべきことを、その能力に応じてあらかじめ明確にしていれば、自らの意思で相談に来る時意外は、指示した業務の完了報告まですべて任せる。 ここで大事なのは、管理対象の能力や性格が十分に把握できていることである。 そのことが、任せることの前提となる。

                    

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次回は『評価制度について』

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管理者の役割と生産性について

部下の能力 最大限に

 ホワイトカラーの生産性に管理者の果たす役割が大切なことは、ここで話すまでもないことである。

各部門の生産性を見ると、管理者の取り組み姿勢の違いにより、その差が表れていると思われる点が多くある。

最も良く分かるのは、管理者が代わった時、その部門の生産者が著しく変化する場合である。

他の要因もあると思われるが、変化点が管理者の異動にあるとすれば、あながち、管理者の要因が影響しなかったとは言えない。

 ある管理者の方は、報告をさせることで自分の地位に満足しているように見えることがある。

このような方に限って部下の報告書の字句に対しても、事細かく注文する傾向がある。

本来の管理者の役割を取り違えてしまっているようだ。

本来の管理者は、確かに管理という職務を持つが、それは限られた資源で最大限の効果を発揮するために与えられた職務であり、部下の管理をするために与えられたものではない。

 管理者は、与えられた資源でより効果の高い仕事を達成するために生産性を向上させようと努力するのである。

現状の効果性レベルを維持するだけであれば、管理者は必要ない。

また、効果性を高めるために、その効果性に見合った資源を現状にプラスアルファして要求するのであれば誰でもできる。

このような程度では、管理者など必要としない。

管理者が必要となるのは、これらの状況を限られた資源で乗り越えるためである。

そのために、管理者は、部門の生産性向上を達成するという職務を持っているのである。

 そこで、管理者は以下の点に配慮し、行動することが大切である。

    ①部門の協働目標としての生産性向上の目標値を設定し、部門メンバーの役割を明確にする

       管理者は、経営全体の中で自部門が達成すべき役割を明確にし、目標とする生産性向上値を設定し、その達成のための課題を明確にし、その課題を達成するために最適と思われる部門メンバーに割り当てる。 

    ②部門の協働目標達成に必要となる外部条件を整えることに努力する

       管理者は、協働目標を達成するために必要となるさまざまな外部条件を予測し、整理し、その条件を満足するための『働きかけ』を検討する。

    ③管理者は、部下を信頼し、管理のための業務を部下に強いることをしないように配慮する

       管理者は、状況に不安な要素が見えると、すぐにその状況の報告を部下に求めるようにする。

       しかし、部下を信じ、状況が部下の手に負えないほど悪化するようであったら、必ず相談に来ると確信できていれば、余計な動きをすることはない。

       部下の仕事の何%かは管理者が作っていると考えれば、生産性向上のためには、余計な仕事を部下に与えることを控えようと考えるのは当然である。

       黙っていると相談に来ないという方がいるが、それは管理者自身の問題ではないか反省したい。

                    完

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次回は『管理システムと生産性向上について』

 

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セルフコントロールの実現について

性格に合った貢献を

 ホワイトカラーの生産性向上を継続的の実行するためには、各人の自覚が大切な要素となる。

 これは、ホワイトカラーのの業務は部門長が集中的にコントロールできるものは少なく、大半はガイドライン的なものしかなく、大枠を押さえる程度のことまでしかできないため、実際には、各担当者の自覚に任される以外に方法はないからである。

 そこで、ホワイトカラーの管理・間接部門においては、各人が自覚を持ち、自分が組織にとって貢献できることは何かを知り、自分で自分をコントロールできる人材を必要としている。

 また、セルフコントロールを実現するということは、自分が全体のなかで、どの役割を果たせば最も効果的かを知ることであり、そのためには、他の人の性格や価値観を理解し、お互いの特徴を引き出すことも必要となる。

 ここでは、セルフコントロールを実現するためのポイントについて述べる。

   ①自分を知る

      セルフコントロールを実現するためには、まず自分を知る必要がある。

      自分の生かせることは何か、自分の注意すべきことは何か、自分の注意すべきことは何かなどを知ることは、セルフコントロールのためだけではなく大切なことである。

      自分を知るポイントとしては、性格(長所・短所)、知的活動能力、業務処理技術、コミュニケーション能力などがある。

      これらは一般に、チェックリストを用いて確認できる。

   ②自分の価値観を認識する

      価値観は、行動の選択やあらゆる選択の基準となるものである。

      価値観の種類としては、時間に対する価値観・対人関係に対する価値観・仕事に対する価値観・家族に対する価値観・健康に対する価値観など、さまざまな場面において存在する。

      たとえば、健康に対する価値観として、健康は運動することによって得るものであるとか、健康は自分で責任を持つなどがある。

  ③セルフコントロールのコントロール・ポイントを設定する

      選択の基準である価値観が設定されたら、どのような場面でどのようなコントロールを実施すればもっとも効果的かを検討し、コントロール・ポイントをイメージしておくことが必要である。

      たとえば、あるプロジェクトを自分で推進する場合、まずこのプロジェクトの計画段階でこのプロジェクトが自分にとってどのような位置付けにあるかを明確にし、プロジェクトの推進意義を自分として納得することでプロジェクトへの価値観を定め、推進上での判断基準を持つことになる。

 以上のことは、自己の成長とともに変化する。

 ここでは、どの性格・価値観が良くて、どの性格・価値観が悪いということではない。

 大切なのは、それぞれの性格・価値観に合った貢献を考えることができるかどうかである     

                     完

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次回は『管理者の役割と生産について』

 

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業務改善の功と罪について

管理システム構築を

 ホワイトカラーの生産性向上は、業務改善の積み重ねのより達成するという考えが方ある。

 この活動は間違いではないが、業務の管理システムがしっかり構築されていないと、成果を埋もれさせてしまうこともある。

 たとえば、月に500件発生し、1件当たりの処理時間が2分掛かる伝票処理があったとする。

 この伝票処理を改善し、1件当たりの処理時間を1分に短縮したとする。

 すると、改善効果は月に500分生み出したことになるが、この状態で報告を受けたまま放っておくと、その効果は経営指標はもちろんのこと、実際の業務処理の場面にも現れないで消えてしまう。

 このようなことは、特にホワイトカラーの提案活動や小集団活動において言える。

 業務改善活動には、各人の業務への取り組み姿勢を積極的にするとか、改善の積み重ねによる独自の職場システムを構築できるとか、さまざまなメリットがある。

 しかし、前述したように、その改善効果を実のあるものにするためには、もう一段の工夫が必要なのも事実である。

 また、業務改善活動により、成功したという事例を基に業務改善神話ができる。

 そして、それを崇拝し過ぎると、業務改善活動を管理する業務が増え、ややもすると管理業務の精度を向上させることに躍起になり、本来の目的が入れ代わって、本末転倒の活動が固定されてしまうこともある。こうなった組織は重症である。

 このように、業務改善活動には利点と欠点がある。

 そこで、この利点を生かし、より効果的な活動をするためには、以下の4点に留意する必要がある。

   ① 業務基準を明確にし、改善効果が基準と照らしてどうかという判断をし、決して現在の業務処理状況からの差で効果を判断しない。

        これは、あくまでも業務改善は方法の改善であるため、遂行パフォーマンスのばらつきに左右される現状を基にその効果を判断してはいけない、ということである。

   ② 業務管理システムを構築し、わずかな効果も実際の業務の場面に反映されるようにする。

        業務管理システムは、計画から評価に至る一連のシステムとして構築し、改善効果が業務計画に反映されるようにするものである。

   ③ 管理者は業務管理システムを熟知し、適切な業務計画の立案やその達成活動が実行されるように、部下をリードする。

        どんなに優れた業務管理システムであっても、それを活用する管理者がシステムを理解せず、適切な運用でなければ、当然のこととしてすべてが無駄になってしまう

   ④ 業務基準は常に変更対象と考え、過去の遺産に固辞しない。

        業務改善の作成には手間が掛かるが、そのために、過去の不要になった業務基準にこだわる必要はない。

                       完

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次回は『セルフコントロールの実現について』。

 

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時間管理の功と罪について

まず業務基準が必要

 ホワイトカラーの生産性向上において、時間管理は一つのカギとなることは確かである。

 ホワイトカラーと呼ばれる管理・間接部門においては、管理者の方々を除いて、計画は日単位がほとんどであり、業務を時間という尺度で計画的に実行したという経験は少ない。

 したがって、このような部門において、時間という単位で計画的に仕事を進める方法を実戦すれば、必然的に効率化の成果は生まれるものと考えられる。

 この点はよいのだが、この成果をどのように活用するかが厄介である。

 たとえば、この成果を省人化の先鋒として用いたり、個人の評価に結び付けたりと問題になる。

 これは、時間管理を実行する主体が各人であることから発生する。

 つまり、自分のしたことで自分の首を絞めるようなことは誰でもしたくないのである。

 したがって、時間管理を徹底し、計画により浮いた時間の活用については、だれもが納得する活用方法を提案しなければならない。

 また、時間管理において抽出する活用時間は、まとまった時間帯で活用できるようにしなければ意味がない。

 たとえば、一日480分のうち、トータルで240分の活用時間があったとしても、その240分が1分おきに散りばめられていたら、240分を活用することは大変難しいということである。

 この時間管理が最も有効と思われるのは、自分のペースで業務を処理できる方々であろう。

 しかし、自分のペースで業務がこなせるのは極少数の方々であり、大方の人は他の方々とのタイミング調整に苦心しているのが実態である。

 したがって、時間管理をより効果的にするためには、全社的な取り組みが必要となる。

 具体的には、全社的に活用時間のまとまりを作る時間帯を統一することである。

 こうすることにより、活用時間を他人に邪魔されることもなく、自分のペースで活用することができる。

 こうした時間管理の効果をより大きなものとするためには、個人の活用時間を一つにまとめ、組織の活用時間とすることである。

 具体的には、組織内で誰もが認める人に各人の活用時間を託すという考えの基に、業務分担を見直し、人という単位で活用可能性を見いだすのである。

 いずれにしても、時間管理のベースには、業務基準が必要である。

 そして、この業務基準の中の時間管理に用いる時間データは、できれば標準時間を用いるとよい。

 それは、標準をベースに自分の実力を測り、それを基に計画を立てる時、大方の人は、実力が標準より下回れば標準へ徐々にでも近づこうとするし、計画で実力より多少上の値を用いれば、これを繰り返すことにより、自己の能力向上と生産性向上の双方を達成できるからである。

 以上、じかんかんりは、その運用を間違わなければ、生産性向上に有効な手段といえる。

                      完

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次回は、『業務改善の功と罪について』

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経費節減運動の功と罪について

進めすぎると逆効果

 経営状態が悪化すると、比較的多く実施される施策として、経費節減運動がある。

 たとえば、コピーの枚数を制限したり、消耗品の無駄使いを統制しようとしたりする。

 このような活動の善し悪しを問う必要はないだろう。

 しかし、毎回どうして同じようなぜい肉の削減運動を繰り返すのか、そのことが問題である。

 困った時にできることが、なぜ日常の業務活動上でできないのだろうか。

 確かに、この運動を継続的に実施しようとすれば、それ相当の手間が掛かることも事実である。

 しかし、状況を考えてみると、困った時の方が手間を掛けたくないものであり、日常の業務活動上で実施する方が余裕を持って実施できるはずである。

 まさか、困った時に打つべき手がなくなると困るという理由からでもあるまい。

 ここで、経費削減運動を過剰に進めると、従業員に将来へ向けた活動するための意欲を失わせ、経営活動が徐々に活力を失い、悪循環に陥ることもよくあることである。

 これは、経営活動において、経費が利益を生んでいるということを忘れて、経費は何でも悪者だ、経費を見ると敵に思えるという見方をする結果でもある。

 たとえば、ある仕事を受注しようとすれば、企画書などを作成する。

 この時、企画書と資料の枚数は150枚になり、部数は先方に手渡す分と控えを合わせて20部用意する必要があったとする。

 すると、コピー枚数は全体で3000枚となり約3万円、セットするバインダーの費用が2万円で、合計金額は5万円。

 それと準備のための手間にかかわる労務費を要したことになる。

 ここで上司から経費の掛け過ぎだから、資料枚数を100枚減らし、全体の経費を削減するように言われて実行した。

 その結果、先方から貴社の内容が不明確なために、B社の方を選択させていただいたと連絡がきた。

 これは極端な話しだが、経費の削減を進めるあまりに、自分の勝手な尺度で判断し、本当に必要なことは何だったのかを忘れ、身を削いでしまうことがあるので注意したい。

 そこで、以下に経費削減の効果的な進め方のポイントを示す。

   ①業務ごとの標準経費を設定する

      業務ごとに、単位当たり、どの程度の経費を必要とす      るかを明確にし、業務基準書に整理する。

   ②経費削減の結果は標準経費に反映する

      経費の節減は、業務処理方法の変更を伴うことを        理解し、根拠を持って標準経費の変更を行うことが        大切である。

   ③予算編成段階で経費節減目標を示す

      経費節減は、利益計画と運動した予算編成の段階で       目標が提示されるべきである。

 以上のことにより、ムダな経費は押さえられ、本当に必要となる部分に経費が配分されるようになる。

                                         完

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次回は、『業務改善の功と罪について』

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業務基準の設定について

具体的な活動の指針

 ホワイトカラー生産性の向上活動を推進する時、何らかの活動基準が必要である。

 そして、この活動基準は、業務を遂行する時に具体的な活動指針として設定されなければならない。

 この活動基準としてよく用いられるものに「業務基準」がある。

 業務基準は、字句の通り業務を遂行する時の基準となるもので、以下のような特徴を持つ。

    ①業務基準があることにより、何をすればどの程度の効果があるかを知ることができ、限られた資源の中で最も効果的に目的を達成するために、さまざまな業務の中から最も適切な業務を検討・選択できるようになる。

    ②業務基準があることにより、業務を担当する各メンバーが、どの程度の資源で何を達成すればよいかが分かり、計画的な行動を取ることができるようになる。

    ③業務基準があることにより、業務の達成状態を公平に判断することができ、評価をオープンにすることができるようになる。

    ④業務基準があることにより、管理者が自部門の業務を容易に把握することができるようになるとともに、管理者が自ら自部門の業務を構築できるようになる。

    ⑤業務基準があることにより、各部門の計画達成度が向上する。

そして、これらの特徴を満足するためには、業務基準に少なくとも以下に示す4つの要件を備えている必要がある。

    ①業務基準には、業務が持つ目的を達成するための方法が示されている。

       ここではまず、部門目的と整合性の取れた業務目的を設定し、次に、その目的を達成するために現在考えられる方法の中で最も適切な方法を検討し、設定する。

    ②業務基準には、その業務を遂行することにより得られる便益が示されている。

       ここでは、業務の効果性を始めとして、業務のアピールできる点を整理し、業務が選択され、実行できるようにまとめる。この内容と投入資源との関係で、実行するかどうかを決定する大切な意思決定情報となるので、慎重な検討を要する。

    ③業務基準には、その業務を遂行するために必要となる資源(費用・人的工数)が示されている。

       これは、業務の遂行方法によって決定される。ここでは、さまざまな遂行方法があっても、必要となる資源の設定基準を一定に保つことが大切である。そこで、業務基準とは別に、普遍的な業務標準をあらかじめ作成しておくことが必要となる。

    ④業務基準には、その業務を推奨基準通り実行することが承認されない時のために代替案が示されている。

       業務遂行の利点を少しでも実際の場面で得るために、承認の障害となる事項をあらかじめ予測し、選択案を設定する。

                        完

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次回は『経費節減運動の功と罪について』

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目的を考える

順次上位へ問い掛け

 日常の業務において、よく「目的を考えて業務を遂行せよ」という言葉を耳にする。

しかし、真の目的を追求した方はいらっしゃるだろうか。

安易な検討で済ませてはいないだろうか。

実際のコンサルテーションの場面で、「この目的は何ですか?」と問い続けると、はたと行き詰ってしまう状況に遭遇する。

一般に目先の目的(自己都合の目的)は持っているが、客観的な目的を持っていることは少ない。

持っていても、かなり上位の目的である。

 目的は業務の方向性を示すものであり、ある程度は上位の目的である必要があるが、あまり上位過ぎるのもよくない。

 ここである程度と言ったのは、例えば「売り上げの拡大」という上位の目的を持ったとする。

この目的は、各部門・各自の目的に違いはない。

しかし、各部門・各自の活動の指針としては具体性に欠け、適切なものとは言えない。

 したがって、「売り上げの拡大」という上位目的を達成するために、各部門・各自がどのような状況を作り上げるかという状況を設定し、その状況を目的とした方が活動の指針となりやすいのである。

 このような目的の設定は、

  1. 上位の目的から展開する方法

  2. 現在の業務を基に目的を展開する方法     とがある。

 前者は、上位目的が各部門の業務を網羅したものであればよいが、そうでなければモレが生じるという欠点があるし、上位の目的が示されているとは限らない。

一方後者は、現在の業務を全て展開するので、現在の業務に対するモレはないが、展開に重複があり、手間が掛かると同時に、将来の方向性を示す指針を抽出し難いという欠点がある。

しかし、一般にはだれでも取り組むことができ、導入し易い方法である。

 ここでは、双方の利点を生かした目的設定の方法を示す。

  ① 対象業務を選定する  目的を検討するための拠り所としての業務を選択する

  ② 対象業務の目的を抽出する  対象業務が何のために行われているかについて、目的の上位の包括的な目的を段階的に抽出していく。  例えば「業務日報の集計」という業務があったとする。  まず「業務日報の集計」業務の目的は、と問い掛ける。  すると「業務の実態を把握すため」となった。                                                                   次に「業務の実態を把握する」のは何のためかと問い掛ける。 すると「無駄な業務を                          改善するため」となった。                                                             次に「無駄な業務を改善するため」とは何のためかと問い掛けるというように、順次上                          位へ目的を抽出していく。                                                             最終的には、経営課題や方針といったものに近づいていく。 

  ③ 検討対象の目的レベルを選定する  ここでは、上位の目的へ順次抽出された目的の中で、自分・自部門で検討できる目的を選定する。

 このように目的が設定されると、現在の業務が果たして目的を満足するのに最も適したものかどうかを検討することができるようになる。

                           完 

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次回は『業務基準の設定について』です。      

  

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OUTPUT思考法について(全2回)その2

〝働きかけ〟先明確に (その2)

①「働きかけ」の対象を明確にする。

   まず最初に明確にするのは「働きかけ」の対象である。 この対象を明確にせずに「働きかけ」を検討することはできない。

②「働きかけ」の対象のありたい姿を明確にする。

   対象のありたい姿への変化にどのように貢献するかを描くことができなければ、効果的な「働きかけ」は何かを検討することはできない。

③対象のありたい姿への変化点を明確にする。

   対象の変化点は何かを知らずに「働きかけ」を検討しても、その「働きかけ」が得たものかどうかを保証することはできない。 この変化点とは、対象の「Aという状態からBという状態への」変化を明らかにしたものをいう。

④具体的な「働きかけ」を抽出する。

   対象が「Aという状態からBという状態に」変化するために、何を「働きかけ」ればよいかの具体的なアイデアを抽出する。

⑤アイデアから現在の価値観を知る。

   抽出したアイデアを基に、それは何のためにすることかを知ることにより、その対象に対しての「働きかけ」の価値観を知ることができる。 ここでいう価値観とは、何々をすれば「Aという状態からBという状態に」変化することができるという考え方のことである。

⑥対象のありたい姿が「働きかけ」の価値観で満足できるかを検討する。

   これは「働きかけ」の価値観が、対象のありたい姿を達成するために、どの程度貢献することができるかを認識することである。 ここでは「効果性」と呼ぶ。

⑦最適な「働きかけ」を選択する。

   さまざまな「働きかけ」の中から、現在の業務を取り巻く状況の中で、最も適切で、許容できる「働きかけ」を選択し、実行する。  

                       完

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次回は、『目的を考える』です。

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OUTPUT思考方について(全2回)その1

〝働きかけ〟先、明確に(その1)

OUTPUT思考法とは、自部門の「働きかけ」の対象が、どのような状態になればよいかを描き、その状態にするために最も効果的な「働きかけ」は何かを常に検討し実践するための、業務に対する価値観を持つための思考法である。

この思考法の前提にあるのは、

①業務の結果としてのOUTPUTの「働きかけ」先は、常に変化している。 したがって、過去から実践してきた「働きかけ」が、現在も適切に作用するとは限らない。

②ホワイトカラーの「働きかけ」は、その時点で検討した中で、相対的に最も効果的と思われるものであり、絶対的な尺度で効果的といえるものではない。 つまり、ホワイトカラーの「働きかけ」は、「対象が目標とした状態」に至るために、100%の効果がある作用を発揮しているとは限らないということである。

これらは、ホワイトカラーの「働きかけ」が、常に「支援」という域を出ないという宿命から生まれる。

そこで、以下のようなOUTPUT思考法を実践する手順が必要となる。

                     続 く

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