ワークシェアリングについて
最近、風邪が流行しております。 私も人並みに先週末より風邪にかかり、微熱と咳が続いておりました。体調が優れないと気持ちも弱気になるもので、経済は上向く兆しもなく、政治は訳の分からない答弁に明け暮れ、日本はどこに向かうのか・・・・とネガティブな思考が・・・
色々と思うこともありますが、今回は、投稿が遅れていたワークシェアリングについて考えます。
年が変わり、様々な企業や連合などでワークシェアリングの問題が議論されるようになったことは、歓迎すべきでしょう。しかし、ワークシェアリングの定義が曖昧で、まだ言葉だけが一人歩きしているようです。
あえてワークシェアリングを位置づけるとすれば、“経済の急激な変動により労働者の雇用移動がスムーズにいかず大量の失業者を排出し兼ねない時、ワークシェアリングを実施し雇用の安定を図り、結果、社会の安定を目指し経済の悪化スピードを和らげる”となるでしょう。
第三者的に見れば、すごく良いことのように思えるのですが、実際の当事者となると難しいと言えます。その難しさとは、解雇の対象とならない方々の既得権とワークシェアリングの価値観のバランスが取れるかどうかにあります。分かり易く言えば、解雇の対象とならない自分たちの賃金を下げても、仕事を失う可能性のある人と仕事を分かち合うことができるかということです。
従って、ワークシェアリングを導入するには、“自分さえ良ければという利己的な価値観ではなく、自分の権利を犠牲にしても社会に貢献するという価値観を持てるないしは持たざるを得ない”という前提が必要です。
先の前提が整ったとして、実際にワークシェアリングを実行するには、以下に示す3つのことを事前に整備する必要があります。
1.どのくらいシェアするのか?
ワークシェアリングは、総人件費のシェアリングと言えます。そこで、まず考えなければならないのは、総人件費のどのくらいをシェアするか?という視点です。
ここでは、単なる人件費の削減にならないように、売上に対してどのくらいの人件費を用意することができるか?という算定基準が必要になります。たとえば、利益をある程度出せる人件費の水準にするのか、利益を出さない人件費の水準とするか、多少の損金を出しても良い人件費の水準とするかという基準です。
国の組織や地方公共団体などの公務員の皆さんが就業する組織では、失業率の水準により、何人ぐらいを採用(非常勤でも良い)すべきかを決めることもできます。
2.どのようにシェアするのか?
シェアする総人件費枠が決まったとして、それをどのようにシェアするかということが次の問題になります。
例えば、総人件費の30%をシェアするとした場合、一率に30%をシェアするとすれば、年収500万円の人は30%の150万円をシェアして、自分の年収は350万円になります。計算上は問題ないのですが、年収500万円の人が350万円になっても社会貢献だからと納得することができるかどうかが問題です。
そこで、ある程度の固定する基準年収(賃金)を決め、その基準年収を上回る部分をシェアの対象にする、ないしは、計算が複雑になるが年収の高いクラスから順にシェア率を少なくするなどの工夫が必要になります。
3.仕事をどのようにシェアするのか?
先のような金額に関するシェア基準は、一度決めることができれば運用は難しくないが、仕事をシェアするのは、その時の業務の状況で変化するため、準備なしには運用ができない。
高度な能力を必要としない単純な業務だけであれば問題はないが、シェアリングの対象となるのは、単純な業務に従事する人だけでなく、高度な能力を要する業務に従事する人も対象になるからです。
そのためには、業務標準化や必要な能力の明確化、及び人材の育成を計画的に行い、どのような時でも、業務分担をフレキシブルに変えることができる業務管理体制を整えることが必要です。(このことは、ワークシェアリングに限ったことではなく、業務管理の基本であると考えるべきでしょう。)
ワークシェアリングの導入は、各企業の責任で実施するということは難しいのではないでしょうか、できれば労働関係法の中で整理し、例えば就業規則にワークシェアリングの考え方を記述するようにすべきではないかと考えます。
実際の導入に関しては、税金で賃金が支払われている公務員の皆さんが就業する組織や公共事業を主な仕事とする企業の皆さんは、率先して考えるべきでしょう。
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