ホワイトカラー生産性のとらえ方(全2回)その1 改定
効果性に重点を置く(その1)
生産性は、インプット分のアウトプットで表現されます。つまり、単位当たりの投入量に対する産出量の大きさで捉えます。この考え方は、ホワイトカラーの生産性においても同様です。
生産性を捉える概念は変わらなくても、ホワイトカラーの生産性が厄介なのは、何をインプットとし、何をアウトプットとするかを決める時、インプットとアウトプットの実態が捉えにくい場合が多いということです。
そのために、実際にはやむを得ず、的外れのものを設定せざるを得ない状況に遭遇することがしばしば起こります。その一つの理由として、生産性を測定するために必要となる「データ収集に限界」があります。
①収集したデータの意味上の区分限界
測定しようとする目的の達成状況を表すのに適したデータが単独では存在しないことがあります。良くあることですが、複数の目的の達成状況と重複するデータであることが多いのです。
たとえば、ゴミの分別を促すための講習会の目的を達成できた状態(講習会が効果があったことの評価)を表すデータとして、ゴミ処理場において測定可能な”ゴミの分別率”というデータを取り上げたとしても、このデータの変化要因には、講習会以外の製品の分別のし易さへの改良など様々な要因を含んでおり、直接の講習の効果を測定することはできません。
②データそのものが収集できない
そもそも、アウトプットそのものを測定できないものがあります。例えば、職場の活性化という結果を得るための活動は、結果としてのアウトプットである”活性化された職場”を直接表現できるデータの存在を確認できません。 活性化することで、何かが多く得られるかも知れません。しかし、多く得られるためには必ず職場を活性化しなければならないかというと、そうでは無いことが多いのです。このような場合、データは職場の活性化を表現するための必要十分な条件を満足していません。
③データ収集の手間からくる限界
たとえば、単位当たり処理件数という生産性を測定しようとするとき、インプットに労務費や労働時間を、アウトプットに処理した伝票枚数や帳票件数が上げられます。この時、評価対象の生産性を測定するために、その対象ごとにそれぞれのデータを収集しなければなりません。
そこで、データを収集し解析するための工数を金額に換算します。例として、1500人程度の実際の工場でのことですが、末端の人のデータの記録、中間管理職や事務員の確認・集計作業などの手間を金額に換算すると、年間5000万円分に相当してしまったというケースでした。この場合、必要なデータをすべて収集することを断念することになります。
以上のように「データ収集の限界」を宿命として背負っているホワイトカラーの生産性では、厳密に測定し、運用することの「限界」を認めることが大切です。
従来のホワイトカラー生産性の指標には、「労務賃分の伝票枚数」というような効率性指標が多く、どうしても数値に頼る傾向がありました。しかし、本来のホワイトカラーの存在目的を考えた場合、ホワイトカラーの生産性に効率性の視点だけで有効かを考えなければなりません。
by 尾嶋 繁
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