計画(輪番)停電を目的的に考える
今回の計画(輪番)停電の目的は何なのだろうか。
まず、目的の上方展開を行ってみよう。
今回の計画(輪番)停電は、
電力の需要と供給のバランスを取ること
その目的は ↓
電力の需要と供給のバランスが崩れ、需要が上回ることによる電力事故(停電)を起こさないこと
その目的は ↓
突然の広範囲における停電を起こさないこと
その目的は ↓
利用者における日常の活動に支障を起こさないこと
計画(輪番)停電は、“突然の広範囲における停電を起こさない”という目的を選択した結果なのだろうと推測する。
ただし、計画(輪番)停電という手法は、この目的を達成するために、「すべての利用者が、平等に計画的な停電による“不便さ”を受け入れる」という前提条件を整えることが要求される。
では、目的の性格、“上位の目的は下位の目的を包含する”という点から、一つ上の目的“利用者における日常の活動に支障を起こさないために”を選択すると、どのような手法が検討されるのだろうか?
電気の使用状態を考えると、以下のようなレベルがあるのではないかと思う。
レベル1:生命・財産を直接的に維持するために必要な電力
→医療システムの維持、警備システムの維持など
レベル2:生命・財産を間接的に維持するために必要な電力
→食料やエネルギーなどの生産活動の維持、流通活動の維持など
レベル3:生活・生産活動などの安全を維持するために必要な電力
→基本的な交通システムの維持、適度なルックスの灯、適度な温度の維持など
レベル4:生活・生産活動などの便利さを維持するために必要な電力
→付加的な交通システムの維持、適正な在庫を持つ生産活動の維持など
レベル5:生活・生産活動などの快適さを維持するために必要な電力
→広告などの電飾、必要以上のルックス(煌々と輝く)の灯など
テレビなどは深夜枠を自粛した時期があるが、今回はどうなのだろう。
レベル6:生活・生産活動などの豊かさを維持するために必要な電力
→電光掲示板などの電飾、必要以上のルックス(煌々と輝く)の灯など
このように電力を必要とするレベルを整理できるとすれば、レベル1から徐々にレベルを上げ、電力消費量をコントロールできれば、最低限の生活を維持することができるので、停電による不安(夜の停電で暗くなるから、懐中電灯を買い求めなければならないが、何処にも売ってないがどうしよう、など)や不満(繁華街の電気が消えず家庭の夕飯時の電気が消えるのはなぜ、など)を軽減することができるのではないだろうか。
この手段は、関係者(特に消費者)の高いモラルを前提とするが、モラルが高い日本ならできるのではないだろうか。
今回の計画停電は、供給者側を主体に考えた手段であり、需要者側を主体として考えた手段を考えるためには、達成しようとする目的を需要者側で描くことが必要になる。
計画停電は、適切な目的の創造と選択が如何に大切かを再認識する事例であった。
リッチマネジメントシステム有限会社
代表取締役 尾嶋 繁
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